ピアニストと野獣


「ん?…何か腑に落ちないことでもあんの?」



私が笑いかけても相変わらずな表情で、余計に口を尖らしてしまった。




「俺から見たら――」



「俺から見たら?」



大ちゃんは私の顔を見るなりプイッとそっぽを向いて「やっぱ言うのやめた!」と言って口を固く結んだ。



いや、ここまで言われたら物凄く気になるんだけど…。



「教えてー?」



「…。」



「教えてよ!」



横腹をツンツンしてみたり、くすぐったりしてみたけど、全く効果はなかった。



「俺が不利になることは絶対言わねー!」



まぁ、自分に不利益なことを口にしても…ねぇ…。