ピアニストと野獣


西園寺は私の両手の飲み物にチラリと目を落とした。



「何それ。」



西園寺は私がさっき買った大ちゃんのジュースに指を指していった。



「え?…大ちゃんのジュースだよ?あの人昔から100%果汁ジュースが好きなんだよ。」



笑って言うと、西園寺はそっぽを向いてどこかへ行ってしまった。



「え?ちょ、ちょっと!どこ行くの?」



「別にー。早く戻ったら?ジュース温(ぬる)くなるよ?」




「……うん…。」



私は後ろ髪を引かれながら急いで大ちゃんの元へ戻った。



――何か変なの…。