ピアニストと野獣

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「沙羅、ホンットに行くの?」




白いワンピース姿の私は、玄関でサンダルを履いていた。



朝からずっとウジウジグチグチ言っている西園寺。




行くって言ってるのに…。



「もう。…私行くからね。」



「あ、待って!」



玄関のドアに手を掛けたところで再び西園寺に止められた。



「もう。何よ?」



振り返ると「スッ…」と私の顔に手が伸びてきた。



それと同時に西園寺のアップ。



「――なっ…!?」



驚いた私は思わず後退りをした。



だけど当の本人はケロッとして



「まつ毛が付いてたよ?」



なんて言っている。




……まつ毛…?





「…もう行く。」



「え?」



パタン…。



恥ずかしさのあまり、私は逃げるように出た。