ピアニストと野獣


「じゃあ、いいじゃんかねぇ?さっちゃん♪」



ニコッと笑うその顔はとても懐しく、温かく感じた。




まあ久々に会ったし、ゆっくり話したいもんね。



そう思ったら、私は大ちゃんに笑顔を向けていた。




「いいよ。」



西園寺といがみ合っていた大ちゃんは、パッと私の方に振り返り、抱き付いてきた。




「だよね!さっちゃーん!!」



「くっつくな!アホ輝!!」



ベタベタくっつく大ちゃんに私はつい昔のように“アホ輝”と考えるより先に口が動いてしまった。



昔と今は違うんだからさすがに言い過ぎたかなって思った。



取りあえず謝ろうか。




「大ちゃん、ごめ――」

「久し振りに呼ばれたー!」




…は?



目をランランと輝かせる彼は、私には何を感じているのかさっぱりだった。



「……まぁ、とりあえず明日、お昼くらいにここに来るよ。」



私がここに来た方が絶対いいだろうしね。



大ちゃんは、それを聞いたら
「了ー解ー!」

なんて嬉しげにキッチンに引っ込んで行った。