ピアニストと野獣

「…。」


「…。」


買いすぎてしまった出店料理を黙々と食べる。


これじゃぁお昼ご飯は…。


「食べれないね。――お昼ご飯。」


「え?」


私が考えていたことの続きを言われてしまった。


「な、何私の頭の中を読んでるのよ!空と陸にも読まれたけど…。もしかしてお金持ちは頭の中を読むのが得意なの!?」


「ぷっ!」


私が言い終わると西園寺は爆笑し始めた。


「何よ…?」


「ごめんごめん。…沙羅も同じことを考えてたんだなって思ったら嬉しくなって。」


――ドキッ…。


ニッコリと笑う西園寺を見て、私は不覚にもときめいてしまった。


「た、食べたなら、早く行こ!」


「――ちょっ…!」



ドサッ!