ピアニストと野獣


―――ったく!


何で私がこの炎天下にビーチバレーをしないといけないのよ!(←女王様発言)


ガコンッ!


私はジュースを買ったら木陰にあるベンチに座って、被っていた麦わら帽子で顔を扇ぎながらジュースを飲んでいた。



「横に座ってもかまいませんか?」



顔をあげると同い年くらいの男の子が二人立っていた。


「あ、どうぞ。」


私は左端に避けて、椅子をあけた。


「――もしかして、さっちゃん?」


「え…?」


隣の男の子が急に話しかけてきた。


てか、“さっちゃん”?


見たことあるような顔…。

誰だっけ?


「俺だよ!大輝だよ!」


「だいき?……だいき…。あ!大ちゃん!」


ニコッと笑って
「正解!」と言った。



「えー。どう言う関係?」


ビックリして前を見ると西園寺。


「何であんたがここにいるのよ!」


私の言葉に反応して西園寺は思いっきり顔を近付けて少し怒った口調で言った。


「遅いから迎えに来たの!」



「行くよ!」と言って、西園寺は私の手を引いた。


「ちょっ…!あっ!…またね!大ちゃん!」


私は手を引かれながら、大ちゃんに手を振った。