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『北河さんのお母様、亡くなられたそうよ？』


『あれでしょ？ニュースで出てた、“飛行機事故”よね？』


『そうそう…。かわいそうだわ。』



学校中で噂をしているのがあちらこちらで聞こえてくる。


私がチラリと誰かと目を合わせると、その人はばつの悪い表情をして顔を伏せる。


誰にも会いたくないから音楽室にこもった。


音楽室にいれば、一応出席扱いにしてくれるからね。



「―――て、何であんたがいるの？」


音楽室の扉を開けると、ピアノを弾いている西園寺がいた。


「あ！やっと来たー！」


私の存在を確認すると、西園寺は私のところまで来て、顔を近付けてきた。


「―――！！な、何！？」


あまりに近い西園寺の顔に私は後ろに身を引いた。