ピアニストと野獣

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とりあえず、私のお見合い事件(?)は無事に終わった。


東藤さんの家に伺った後から明らかに変わったことが…


「沙羅ー!これ見てよ!スゴくない?」


「そうだね。」


なぜか毎回毎回の休み時間に陸が来る。


「…。」


こいつは何を考えてるんだ?


私がジッと陸の顔を見ていたら、陸が小首をかしげて
「何?」
と言っている。


…分かんないや。


「陸が何考えてるかさっぱり分かんない。」


眉間にシワを寄せて陸の顔を覗き込んだ。


「ははっ。んだよそれー。」


陸は笑いながら私の顔を鷲掴みにして押しやった。


「ちょ、ちょっと!離して!」


陸の手で私の視界は真っ暗。


「それじゃーな!」


そんな声が聞こえたと思ったらぱっと視界が明るくなり、陸は後ろを向いて去っていっていた。


「―――なっ!」


何なのよ!