ピアニストと野獣

「ん?沙羅ちゃんは空君が好きなのか?」


何も知らないおじい様が私の一っっ番触れてほしくない話に興味を示してしまった。


「えっと…。まぁ……そう…ですね…。」


苦笑いをして俯いた。


「…。」


嫌~な空気が部屋全体を包み込んでしまった。


そんな空気を破ったのは西園寺だった。


「――おじい様、もうこんな時間ですからお開きにしませんか?」


「おぉ!そうじゃのぉ…。それじゃあ、玄関まで見送ろうかのぉ。」


そうしてお開きとなりました。