ピアニストと野獣

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「東ー藤ーさーん!!!!」


私は東藤さんのクラスに着くや否や大声で叫んだ。


―――ちょっと後悔…。


先輩らの注目の的となり、かなり恥ずかしい…。


「なんだ、沙羅か…。何の用だ?」


相変わらず冷静だ。


私は意を決して言った。


「東藤さんとお見合いするって本当ですか!?」


「本当ではない。」


「へ?」


興奮していた私は、冷静にツッコまれたことで勢いを失ってしまった。


「知秋が勘違いしたんだろ。」


「勘違い?」


私は思わず顔をしかめた。