ピアニストと野獣



お見合い?


誰が?


「――――私!?だ、誰と!?」


言われたことに理解するのに少々時間がかかった。


「は……。」


「“は”…?」


西園寺は何かを言いかけて止めた。

続きが気になった私は小首をかしげた。


そんな私から西園寺は顔をそらし、口元に手をやった。


「えっと…。は、隼人。」


「え!?」


“隼人”って東藤さんのことだよね!?


一体どうなってるの?


「ちょっと…東藤さんのところに行ってくる!」


私は急いで教室から出た。