空の出発の日――――



『空君!お元気でね!』


『空ー…。たまには連絡しろよな。』



――おとといと同じような光景だ…。


空はいつもの空で、4日前に見た空とは別人だった。


そんなことを思いながら空を見ていると、空は私に気付き、こちらに近付いた。


「ありがとな。」


「うん?何が?」


「お前の回し蹴りのお陰で踏ん切りがついたよ。」


「あぁ…。そのことか。」


私は苦笑いをして、「ごめんね。」と言った。


「まっ!それがなかったら、まだウジウジしてただろうし!結果オーライだ!」


「何それ!」


私は思わず吹き出した。

そんな私を尻目に空は続けた。


「じゃあ俺行くわ!」
そう大声で言って、鞄を持った後、私に小声で呟いた。


「好きだよ。」


「えっ…!?」


ビックリして顔をあげると、空は意地悪な笑顔をして


「2番目にな!」


そう言って、歩いて行った。