ピアニストと野獣

「それじゃあ、もう行くね。…これからも温かく見守ってください。今日はわざわざ見送りに来ていただき、ありがとうございました。」


ニッコリと微笑む真美姉。


だけど、どことなく寂しそう…。


「ばいばい。」
と言って、待合所に向かっていった。


その時――――


「「真美ー!!」」


「―――!」


まさか!!


そう思い、振り返ると空と陸が立っていた。


先に口を開いたのは陸だった。


「真美!弱音を吐いて日本に帰ってくるなよ!」


「胸を張って日本に帰るよ!」


Vサインを見せる真美姉。


次は空の言葉。


「真美…。俺……



あなた留学決まった!」


『えぇ!?』


予想外すぎて言葉が出なかった。