ピアニストと野獣



「―――空、来るかな?」


「来るよ。…あいつはあいつなりに考えてんだよ。」


私たちは空港に着き、真美姉を待っていた。


着いたときには、たくさんの桜南生がいた。


『キャー!真美さーん!』


『真美さーん!!』


とうとう真美姉が来てしまった。


「――ホントに来るの?」


「た、多分…。」


「あっ!!沙羅ちゃん!知秋!」

私たちの不安なんて知らずに、能天気な様子の真美姉。


「ま、真美姉…。ア、アメリカでも元気でね!」


「か、風邪とかひくなよ!」


真美姉は、しどろもどろしながら話す私たちに特に気にも止めずに
「ありがとう!」
と言って、人だかりに戻って行った。