ピアニストと野獣

―――空、真美姉がいなくなるの知ってたんだ…。


それなら、

それなら…


「はぁ…。」


教室でぼんやり過ごしていたら、近くで話している女の子達の話が耳についた。


『真美さん、明日旅立つそうよ。』


『えっ!それは早い旅立ちね』


―――明日?


「それは確かな情報なの?」


私は焦りやイラつきでかなり怖い顔をしてたと思う…。

そんな私の形相に圧倒された女の子達は顔を強張らせた。


『ええ…。確かな情報よ?私と真美さんのお母様は仲が良くて、それでお母様が聞いたのよ。』


「そっか…。ありがとう。」


話を聞くなり私は席を立った。