ピアニストと野獣

「大丈夫か?」


不安げに私の顔を覗き込む陸。

私はニコッと笑い、陸からバイオリンを取り返し言った。


「大丈夫だよ!もうすぐ始まるから行こうっ!」


「…おぅ!」


いいんだよ。

空と真美姉がうまくいけば。


だってあんなに仲良しなんだもん。


私は真美姉に借りたバイオリンを握り締め、パーティをやっている広間に足を踏み入れた。




「―――!?えっ!?」


なんであの人がいるの?


私はその場で硬直してしまった。