ピアニストと野獣

私が言い切ると西園寺はシュン…として子犬の目をして私を見つめてくる。


うぅ…


私の良心に返事をさせる気か!?


困った私はとりあえず東藤さんに助けを求めた。


そんな私の訴えに気付いたのかこちらに近寄り西園寺に語りかけた。



「沙羅にいくら名誉があっても、金と容姿が整ってないだろ?」



―――!?

なんだと!?


金はともかく、そんなに私の容姿ってひどいの!?


落ち込んでいたら東藤さんが私の方を見て、困った顔をした。


「―――それはそうだが…。」


えっ?

何の話?