ピアニストと野獣

何なんだろ?


今日も午後から授業があるはずなんだけどな…


そう思いながら私は職員室の扉を開けた。


「失礼します。」


「沙羅さん!」


いきなり前田先生が待ってましたと言わんばかりに私のところに来た。


「どうしたんですか?」


「今度日本である、ピアノコンクールに出てみない?」


「は?」


あまりにも突然だったため私は頭がついて行かなかった。


あんぐりとしてボンヤリしている私にしびれを切らしたのか先生が先に口を開いた。


「で?返事はどうなの?」