ピアニストと野獣

その言葉を聞いた瞬間教室が静まり返った。


冷たいけど、私にとっては鶴の一声を放った人物は

稲葉さんだった。


彼女は自分の席でゆっくりと本を読んでいる。


まるで私に
「あんたなんて全く興味ないのよ!」
て言われてる感じ。


…何で稲葉さんはこんなに私を毛嫌いするんだろ?


そんなとき校内放送がかかった。


『北河沙羅さん、北河沙羅さん、職員室に来てください。前田先生がお待ちです。』


―――へ?


私?


しかも前田先生って、私の音楽の先生だし。


頭に疑問を抱えながら職員室に向かった。