ピアニストと野獣

そんな私の思いも虚しく、空が笑顔で聞いてきた。


「それで親父さんの名前は?」



キタ――(´Д`)――!!


「それは秘密かな…。」


何て誤魔化そうとしたものの、クラス中私の話を聞く態勢になっていて無理っぽい。


「…。」


私は最後の足掻きで黙秘権を使った。


ところがMT(まさかの展開)になってしまった…


「沙羅ちゃんのお父様は、トオル・キタガワで世界に名を知らしめている音楽会の巨匠“北河徹”先生よ。」


「!?」


教室のドアの方に目を向けると腕を組んで壁に寄りかかってる真美姉がいた。