ピアニストと野獣

「へぇー…。なるほ―――」
途中で私の言ったことを理解した空は目を見開いて、騒ぎだした。


「てか、ドイツて言った!?いや、絶対言ったよな!?お前どこで育ったわけ?」


―――私の素性がどんどん明らかにされていく…。


私は観念して、素直に話した。


「生まれも育ちもドイツ。中学3年の時に日本に引っ越してきたの。」


「えっ…?何で?」


「……親の仕事の関係…。」


「親の?…親は何の仕事してんの?」


―――またこの話題が来たよ…。


何か話さないといけない雰囲気だし。


私は意を決して話した。