ピアニストと野獣

「誰がブサイク?」


突然後ろから声がしたから“ビクーッ!”と体が飛び上がるほど驚いた。


そして後ろからは笑い声が…


私はジロリと振り返り、声の主に対して言った。


「そんなに笑わないでよ…西園寺…。」


目尻に涙をためた西園寺が、私の隣まで歩いてきた。


「ごめんごめん。びくつく姿が面白くて…。」


そう言って、私の頭をポンポンと撫でた。


私はうつ向いて、鍵盤を眺めていた。

そんな私の様子に気がついた西園寺は、私を心配してくれた。


「大丈夫?悩み?」