ピアニストと野獣

席に着いた私は、1限目の準備をして一息ついた。


そんなときに、大きな教室中に通る声で空ファンが空に話しかけた。



『空君!来週の金曜日にマミさんが帰ってこられるの知ってます?』



―――えっ…!?


私はビックリして席を立ち上がり、空の方を見た。


「―――っ!」


空は今まで見たこともない表情をしていて、私は胸が締め付けられる感覚に陥った。