ピアニストと野獣

「…で?喧嘩の内容は?」


「うーん…。直接聞けば?」


ニコッと笑って言った。


それを見た私は
「分かった…。」
としか言えなかった。


―――喧嘩の内容は知れないなぁ…。


西園寺も陸も絶対教えてくれないよ…。


そんなことを考えながら空と一緒に教室に入った。


『空君おはようございます!』


『空君今日は早いんですね!』


私はどっと集まる空ファンの間をくぐり抜けて自分の席に座った。