ピアニストと野獣

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「―――おはよ。」


「あっ!おはよー!」


私が正門付近を歩いていると、陸が後ろから声をかけてきた。


朝の正門だから、もちろん

『キャー!!南城くーん!』


…ファンのみなさんがうるさかった。


「…で、ハンバーグおいしかったでしょ?」


私は横を歩いている陸の顔を覗き込むように首をかしげた。


覗き込んだ陸の顔はムスッとしていた。


「知秋がいたからまずかった!」

「はぁ!?」


私は呆れたが、陸の顔はすぐに笑顔になった。


「冗談。おいしかったよ。」