ピアニストと野獣

「――とにかく!…中に入ろ。」


嫌そうな顔の陸を、腕を引っ張って中に入れた。


「あれっ?」


中に入ると同じ制服の男の子が座っていた。


気になったのは私だけではなく、陸も同じだったみたいで
「もしかして…」
そう言って男の子のもとに行った。


「えっ…。ちょっと…。」


先々行ってしまう陸に小走りで行こうとしたら、陸が急に止まった。


「きゃっ!」

ドンッ


そのため私は陸に体当たりして、転けてしまった。