ピアニストと野獣

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「てか、どこで食べるんだ?」


「着いてのお楽しみっ!」


私と陸は歩いていた。


陸も一応南城グループの息子だし、お迎えが来ていたけど、そんなに離れていないし歩くことにした。


大通りから裏路地に入った。


「ここだよ!」



「え゛っ…。」


着いたのは、さびれた洋食店の前だった。


「ボロッ!てか、ここウマイのかよ!?……そんな風には見えねぇけど…?」


「アンタねぇ…」


陸は店を店の前でボロクソに貶した。


―――空気読みなさいよ…。