ピアニストと野獣

「久しぶりの学校のピアノだぁ。」


私はそう呟いて音楽室の扉を開いた。



「あれっ――?」



扉を開けた瞬間ブワッと風が、私の横を通りすぎた。


見てみると、窓が全開になっていた。


でも、この音楽室は私しか使わないし、宿泊研修から帰ってきて初めて使う。



―――誰かいるのかな?


そう思ったが、気にすることをやめ、ピアノに向かった。