ピアニストと野獣

「それより、空なら喧嘩の理由分かるんじゃない?」


私がそう言ったら、空は頭をかいて呟いた。


「――知らぬが仏…か。」


「はぁ?何言っ…」


「あぁ、気にすんな!」


そう言って、私の肩をポンと叩いた。


――意味不明。


それよりも私は重大なことを思い出した。


「あ!練習に行こ!」


「こんな時にピアノかい!」


「うん、じゃあね!」


そう言って、私は教室を後にした。