ピアニストと野獣

「もう……。いい加減離してよ!ここ食堂だよ?」


私、周りの女の子に睨まれてるんですけど…。


なのに、こいつときたら…

「沙羅が俺と付き合ってくれるならいいよ!」


「付き合わないから!」


「なら離さなーい!」


う゛ー…。


やめてー!!


「はい!ストープッ!」


そう言って、陸を剥がしてくれた。


――この声は…。


そう思い顔をあげるとやっぱり思った通り。


「西園寺!」