ピアニストと野獣

「だぁからっ!」
「はいはい!意味わかんないこと朝から言わないの!…私は朝ごはんを食べに来たんだから!」


そう笑顔で言って、西園寺の元を去った。


まったく…西園寺は耳元でささやくのが好きなのかな?


そんなことを思いながらご飯を食べた。


「あっ!…沙羅おはよ!」


「おはよっ!」


目の前には陸がいた。


そのまま通り過ぎるのかと思えば私の横に座った。


「――って、何座ってんのよ!…班の子達は?」


あきれた私とは対称的に、陸はニコニコしている。


「班のみんなには言ってあるもーん♪」


「…。」


――あの迷子になったのが効いてないよ…この人には…。


「まったく…。空と陸、中身は逆だね。」


これは私が最近思うこと。