ピアニストと野獣

「知ったからって、どうしようとか思わないよ?」


私は西園寺の目を見て言った。

嘘じゃなく本当のことだし…。


西園寺は何を言うのかじっとしていたら、返ってきたのはとんでもないものだった。


「じゃあさ…」


ぐっと私に近づき、耳元でささやくように言った。



「あんなやつ忘れて俺にしたら?」


「はぁ!?」