side健 公園のベンチに座って おれは公園の空気を目をつぶってゆっくりすいこんだ。 砂場のすなの匂い 近くの植木の砂の匂い そんな埃っぽい空気も俺には愛しかった。 唯が隣にいたときと変わらないこの空気がすきだ。 ゆい… 俺は目をつぶったまま 自分のなかにいる 別れる前の唯に呼び掛けるように つぶやき、 そっと目を開けた。