「僕が買ってあげる。
とびきりエロいやつ」
言ってシュウは意地悪な視線を寄越す。
「そんなの駄目だよ。
ていうか、とびきりエロいのって何?
私の身体なんか興味ないくせに!」
ブウと膨れて上目使いで睨みつけると、「コト、何怒ってんの?」とシュウは大きな右手で私の頬をムギュウとつぶす。
プッと小さな音を立て、破裂したみたいに私の口の中の空気が勢いよく飛び出した。
それを見たシュウは、声を上げて笑いだす。
言われてようやく気付いたけれど。
シュウが私の身体に興味ないことに、露骨に腹を立ててしまった。
でもいいや。
余りにもシュウは、私をドキドキさせ過ぎる。
少しは私の気持ちに気づいた方がいいのだ。
そして軽率な甘い言葉や行為を、自粛すべきだ。



