私がシュウに『助けて』なんて言わなければ。

シュウの家に行かなければ。

シュウのことを好きにならなければ。

シュウと出会わなければ。



きっと、こんなことにはならなかった。



全部、私のせいだ。



あの日から今日まで、自分がどうしていたか、ほとんど覚えていない。何を食べたか、いつ眠ったのか、何もわからない。まるでポッカリ穴が開いたみたいに、記憶が抜け落ちている。



私は家族じゃないから、付き添い許可がおりなくて、だから、毎日のように病院へ通った。


本当は重症患者だから面会も出来ないんだけど、看護師さんたちは、断られても断られても毎日欠かさず訪れる私を見るに見兼ねて、シュウのお母さんにコッソリ了解を得て病室に入れてくれた。



シュウとお母さんは良く似ている。

顔もだけど、柔らかい口調とか、ゆったりと落ち着いた雰囲気とか、何から何まで哀しいぐらいにそっくりで。


会うたび、胸をえぐられるような痛みに泣きたくなった。