十字架に鎖を




「ごめん…。」


もう一度言った俺に、珠妃は首を振った。


「琉は悪くない。」


私は餌だから。


そう答えた珠妃のどこから諦めたようなか弱い声が、俺の耳にこびりついた。


「俺が、吸血鬼だから。」