外は夕方を終わろうとしていた。

一番星が輝いている。



保健室


「ん…」

姫野が目を覚ました。

「気がついた?」

保健室の先生が言う。

「保健室…」

「教室で倒れたのを彼が運んで来たのよ。」

「彼?」

「よぉ。」

幸大が手を挙げた。

「…幸大。」

「貧血で倒れたのよ。

それに少しやつれてるみたいだし。

キチンと睡眠と栄養を摂りなさい。」


「…はい。」










帰り道


「吸血鬼が貧血なんて大爆笑だな。」

幸大が言う。

「ただでさえ血を吸ってないのにあんたのせいで出血。

あんたも化物だったなんて驚きだわ。」

「化物じゃない。」


「はぁ…」

「今まで何人襲ったんだ?」

「0よ。」

「え?」

「一週間に一度、誰かの血を吸わないとやつれていくの。


私は先週が誕生日だったから。

それに吸血鬼だって全員が好きで襲ってるわけじゃないのよ。」

「まぁ…知ったこっちゃねぇけどな。」