「例えば…」


ズァッ!

首筋から血が幸大の手のひらへと移動した。

「こんな風に。」


ガキンッ!

ナイフの形になる。

「血は鉄分が豊富でな。

つまり、鉄と同じ硬度だ!」

ヒュッ!


ドシュッ!


「うぁぁぁ!」

姫野の腕に刺さる。

「くっ!」

ナイフを抜くと傷口が塞がる。


「吸血鬼も…

強いのよ?」

ダッ!

抜いたナイフで幸大に斬りかかる。


バキィンッ!

ナイフが割れた。

「血小板なみに脆いのもできる。

それに、自在に操るんだ。」


ズァッ!

姫野が握ったナイフが液体に戻り幸大の手のひらに戻った。


「なら…私の手で切り刻む!!」

爪で斬りかかる。


ガキィンッ!


「な!?」

幸大の体を血の鎧が包みガードした。

「ブラッドアーマー。


言っただろ?

無限の血液を持つ…って。」


「くっ…

面白いわね…

あれ?

…。」


ドサッ…

姫野が倒れた。