「これは?」

「来月の終わり頃に学校祭があるだろ?」

「ああ、もうそんな時期か。」

「生徒会主催のミスコンがあって、事前調査だよ。


そこに書いてるランキング別にいくつものミスコンがあるんだよ。」


「男子だけか?」

「いや、女子にも配られてるよ。

女子からみた女子ナンバーワンも決めるそうだ。」

「へぇ。」

「クラスごとに集計して生徒会に出すけどお前だけ休んでたからルーズリーフに書き写したんだよ。


集計係は俺だから放課後までに頼むぜ?」

「わかった…とは言っても。」

姫野を見ると…


「『わかってるわね?』」

怪しげな目線を送られた。

クーニャを見ると…


「『誰を選ぶのかにゃ?』」

意味ありげな目線。


「行正…

俺がこれを書くともしかしたら俺は亡き者にされるかも知れない…


なんとかならないか…」


「幸大…」

行正が微笑む。

そして…


「自業自得だこのやろう!!

てめぇ、一人でウハウハと喜びやがって!!


ざまぁみろ!


苦しめ!」


行正が言う。

「あの…授業は、ちゃんと受けてほしいな…


確かに、私の教え方は下手だし…でも、頑張ってるし、色々工夫もして…」

優衣がいじける。


「ばか、行正…」


「はぁ…

幸大…さっさと慰めてきなさい。

桂木は幸大の担当でしょう?」

姫野が言う。


「はいはい…

先生…ほら、廊下に出ましょう?」


「うん…」




数分後、満面の笑みでスムーズに授業を進める優衣の姿があった。