「ふっ…

見なさい!」


バサッ!

勢いよく姫野のテストが机に置かれた。


「赤点なんか1つもないわよ?」

姫野が言う。

「確かに…。」

幸大が言う。

「でも…教師としては1教科でも良いから平均点に届いててほしいんだけど…」

桂木が言う。


「うっ…。


それは次回にとってるのよ!」

「嘘だな。」

幸大が言う。


「最後は私だよ!!」


バンッ!

机に叩きつける。



「…。」
「…。」


幸大と桂木の微妙な表情。


「確かに…赤点ではないな。」

幸大が言う。


「幸大さん、赤点は何点以下なんですか?」

咲子が言う。

「40点。」


「ほら…私の最低点は41だもん!!」


「全部40点台じゃねぇか!」

幸大が言う。


「勉強会の効果がギリギリ赤点阻止…


クーニャが平均点を下げてる張本人ね。」

姫野が言う。


「ところで、先生の用事って何なんですか?」


咲子が言う。


「あ…

その…山下さん。」

「はいはーい?」

「言いにくいんだけど…」

「?」


「赤点ギリギリセーフだと補習があるの。」


「え゛!?」

クーニャが固まる。

「あ、でも…夏休みまでの放課後だから、夏休みは来なくても良いのよ?」


「む〜。」

「ただ、サボると夏休みの補習に参加しないといけないんだけど…」


「ぶ〜。

はぁ…夏休みに遊べないよりは良いかなぁ…」


「クーニャ、ちゃんと補習が終わったら夏休みは一緒にデートしてやるから頑張れ。」

幸大が言う。

「頑張る!」

「…最近、扱いに慣れてきたな。」