「席順に不満があるわ…」

姫野が言う。


席順は桂木とクーニャの間に幸大。


その向かいに姫野、咲子。

「早い者勝ちだよぉ〜。」

クーニャが言う。

「あの…私、変わった方が…」

桂木が言う。

「観覧車の中で席の移動をしたら危ないですよ。」

幸大が言う。



観覧車はドンドンと上がっていく。


「あ、あの…岡田君。

手を握っても良いかな?」

桂木が言う。

「え?」


「あ、変な意味じゃないのよ!?

その、高所恐怖症ではないけど…高すぎるとちょっと…」


「俺は構いませんよ。」

ぎゅっ。

幸大が桂木の手を握る。


「あぅ〜。」

桂木が顔を真っ赤にする。

「わぁ…」

クーニャが言う。

「キレイね。」

姫野が言う。

「絶景、絶景。」

咲子が言う。

「お前は石川五衛門か…」

幸大がつっこむ。

「スゴいわね…」

桂木が言う。



「あそこが俺たちの住んでる町なんだよな…」

幸大が呟いた。





その後…


集合時間には全員が集まってバスが出発した。



ちなみにバスの席は…行き帰りともに、


姫野、幸大、助手席のクーニャさらにその横には桂木、荷物類。

咲子はバスの上。

姫野とクーニャは現在熟睡中。


「先生…」

幸大が言う。

「?」

「生徒は皆、先生の指示した時間に必ず集まってますよ?

昼も帰りも。

それに事故もなかったです。

先生は十分にクラスを統率できてますよ。」


「…岡田君。」