という訳で、膨大な学園の情報を持つヴリトラを先頭に、捜査隊は放課後の学園を徘徊し始める。

もう美葉に先頭を歩かせるという愚を犯さない辺り、彼らにも学習能力はあるらしい。

「さてとぉ…まずは久留崎 金葉から当たってみようかなぁ」

ヴリトラが愛用の手帳をペラペラ捲りながら言う。

「彼…久留崎 金葉に接触する前に言っておくとぉ…」

ヴリトラは密かに黒い笑みを湛える。

「黒部 美葉に筱萠ぉ…是非とも久留崎 金葉の素顔を見る事をおススメするよぉ」

「ん?そんなにいい男なの?」

少し興味を引かれる美葉。

「いや、わしにはアルフレド王子というお人がおるからの、浮気はせぬぞっ」

断固拒否する筱萠。

「まぁまぁ…そう言わずに一目だけでもぉ…」

ヴリトラは尚も笑った。

「『死ぬほど』かっこいいからさぁ…」