昼下がりの屋上は日差しが強く、もう夏なんだと実感させられた。



「谷地さん、プロポーズされました?」



なんの脈絡もなく突然忍にそう聞かれた谷地は、飲んでいた缶コーヒーを喉に詰まらせた。



苦しそうにゲホゲホと噎せる谷地に忍は「大丈夫ですか?」と背中を擦った。



「な、なんで知ってんの!?」



「いや、右京が誠司さんとそんな話をしたって聞いたんで…。」



谷地は「筒抜けね…」と溜め息を着いた。



「で、するんですよね?…結婚。」



「まぁね~適齢期だし…」



「仕事辞めちゃうんですか?」



「多分。…彼の自家が北海道なの。そっちに引っ越す事になると思う。」



「寂しくなるなぁ~…」



シュンとする忍に「今すぐじゃないわよ」と谷地は笑った。