翌日の天気予報は快晴だった。



家を出るギリギリまで右京と父は喧嘩をしていたが、最終的には父が折れた。



右京は勝ち誇ったように忍を抱き寄せ、「俺やったよ!」とニッと笑う。



忍はそんな子供みたいな右京に「はいはい」と笑いながら銀髪を撫でた。



「新幹線に乗り遅れちゃうから早く用意してね?」



右京はバイクで行くつもりだったらしいが、結局忍に却下された。



…折角だからのんびり行きたい。



右京と二人で旅行なんて滅多にないし、忍には聞きたかった事が色々あるのだ。



それに…



「土産は饅頭でいいぞ?」



「あそこの酒饅頭、美味しいらしいわね~」



…それに、帰りはお土産で荷物も増えるだろうし。



そんな煩い家族に見送られ、右京と忍は早々に出発したのだった。