「とにかく!虎太郎君が気にしてない様な事でも、リサにしたら凄く気にする事なんじゃない?」



虎太郎は「なるほど」と口元に手を当てて考え始めた。



右京はふぅと溜め息を着くと立ち上がった。



「さて、忍。そろそろ帰るぞ。」



「えっ?右京達もう帰っちゃうの?」



「明日から一泊旅行~」



ニッと笑う右京に忍は「何言ってんの」と呆れたように苦笑した。



「取材に行くだけよ。」



「いいな~俺も一緒に…」



「お前は来んな!…ってか、早く帰れ!」



「ひ…酷い…!」



再び涙目になった虎太郎を無視して、カウンターのガクに軽く手を挙げて“またな”と挨拶をした。



「しばらくこっちに居るならP2と連絡取ってくれよ。」



右京はザッと端的に説明すると虎太郎は快くオペレーター役を受け入れてくれた。



店を出て行く右京達を眺め、虎太郎は独り呟く。



「…言うべきだったかな…」



“それ”を知ったら彼はどう動くのだろうか…?



なんとなくモヤモヤした気持ちになり、虎太郎は残りのビールを一気に飲み干し溜め息を着くのだった。