だが、肝心なプロポーズはまだない。



忍はじっと彼を見上げ、「何か言うことないの?」と聞いてみた。



「ん~…色々考えたんだけどさ…ロマンチックに決めるのも俺らしくないしさ…」



「…うん…?」



「忍からしてもらおうと思って。」



「えっ!?わ、私がプロポーズするの!?」



「そ。ほら、してみ?俺が“はい”って即答するようなプロポーズ。」



ニコニコと笑う右京に忍は少し考えて彼の耳元で囁く。



「あのね…実は…」



そしてその言葉に右京が「えっ…?」と固まった。



「…ごめん、よく聞こえなかった。」



「だ、だから…右京がパパになったかも…って」



みるみるうちに目をキラキラとさせ、嬉しそうな顔をする右京に忍は恥ずかしそうに笑った。



「忍、最高のプロポーズだよ!」



彼女を抱き上げて喜ぶ右京に忍はギュッと抱き付いた。