忍が一時帰国をすると聞いて「会いたい」と言って来たかと思ったらまさかの“結婚宣言”。



もちろん嬉しいのだが、正直羨ましいとも思うのだ。



「いいなぁ…うちなんかしょっちゅう“結婚しよう”とは言って来るけど、行動に移す気配ないもん…」



「それはノロケ?」とセリに茶化され、忍は本気で首を振った。



「同棲してんでしょ?新婚みたいなもんじゃない。」



「ほぼ朝しか顔合わせないし、そうすると会話も少なくなるじゃない?まるで“老夫婦”よ!」



真顔で言う忍にセリは爆笑していたが、笑い事ではないと思う。



「まぁ、忍のとこは特殊だからね…イトコ同士だっけ?」



「戸籍上はね~…」



はぁ…とため息を着く忍にセリは顔を近付け「気をつけなさい」と声を潜ませる。