「えっ!?結婚すんの!?」



思わず大きくなってしまった声に忍はハッと口元を手で覆うと辺りを見回す。



店内の客達は然程気にした様子も無く、忍はホッと胸を撫で下ろすと視線を目の前の親友であるセリに戻した。



「だ、誰と!?」



「職場の上司。」



「付き合ってそんな経ってないよね!?」



「そういうのってタイミングだと思うわよ?」



ただ唖然とする忍にセリはクスッと笑った。



そして傍を通り掛かったウエイトレスを引き留め、ホットコーヒーのおかわりを頼む。



「タイミング…かぁ~」



そう呟いて忍はミルクティーに口を付けた。



「まさかセリがこんな早く結婚するとは…」



するとセリは「早くないわよ?」とコーヒーに角砂糖を落とす。