『ティタノマキアに関してはクロウに託すしかない。…その間に策を練るよ。』



苦笑するアランに右京は『頼むよ』と返すと立ち上がる。



『そろそろ行くわ。』



『あぁ。明日の飛行機だったか?』



『ん。朝早いから帰って寝るかな…。』



そして出ていこうとする右京を『クロウ…』と彼は引き留めた。



『忘れるなよ?…俺等が付いてる。』



右京は一瞬驚き、何か言いたそうな顔をして思いとどまる。



彼は言葉を発する事なくアランに背を向け、『じゃあな』と手を挙げただけだった。



右京が出て言った扉を見つめ、アランは彼が言おうとしたことを考える。



『…“仲間”だろ…?クロウ…』



椅子を軋ませ深く寄り掛かると、アランは誰も居ない空間でそう呟いた。