眠たい目を擦りながらキッチンで朝食の準備をしている忍に「おはよ」とキスをする。



「おはよ。…ぷっ…寝癖凄いわよ?」



「あれ…ホントだ…。まぁ、今日は休みだし。」



忍に「子供みたい」と笑われたが気にしない。



右京はコーヒーをマグカップに注ぐと付けっぱなしのテレビに視線を向けた。



─“新型ウイルスによるパンデミックも減少し…”



ニュースキャスターの言葉を聞きながら右京は「良かった…」と独り言を呟いた。



「ニコールも復活したし、やっと安心して帰国出来るわ~」



パンデミックのせいで一時的に封鎖していた空港も、数日前より運航を再開したらしい。



「右京は年末年始、仕事は休めそう?」



「ん…大丈夫。」



その為にクリスマス返上で業務をこなして来たのだ。



年末年始まで仕事をしろと言われても願い下げだと右京は思う。